Brotli圧縮とは?|SEO関連用語集

読み方: ブロートリ(Brotli)圧縮
目次
概要
Brotli圧縮とは、Googleが開発した高効率な圧縮アルゴリズムで、Gzipよりも高い圧縮率を実現し、WebコンテンツのHTTP転送を高速化します。
詳細説明
Brotliとは、2015年にGoogleが発表したロスレス圧縮アルゴリズム(RFC 7932)で、テキストベースのデータ(HTML、CSS、JavaScript、JSON、SVGなど)に対してGzipより15〜25%高い圧縮率を実現します。圧縮レベルは0〜11で設定可能で、レベル11では最大圧縮率、レベル4〜5ではGzipと同等の処理速度で高圧縮を実現します。主要なWebサーバー(Nginx、Apache、IIS)とCDN(Cloudflare、Fastly、Amazon CloudFrontなど)でサポートされており、2025年現在、すべての主要ブラウザ(Chrome、Firefox、Safari、Edge)がBrotliをサポートしています。HTTPS接続時のみ有効で、HTTP/1.1とHTTP/2の両方で使用できます。
重要性
Brotli圧縮が重要な理由は以下の通りです。
- ファイルサイズの削減により、ページ読み込み速度が向上し、LCP、TTFB、FCPなどのCore Web Vitals指標が改善される
- 特にJavaScriptバンドルが大きいモダンWebアプリケーション(React、Vue、Angularなど)では、Brotli圧縮が大きな効果を発揮する
- モバイルユーザーや低速ネットワーク環境のユーザーにとって、データ転送量の削減が体験向上に直結する
- 帯域幅コストの削減により、特に大規模サイトでの運用コスト削減に貢献する
- Gzipと比較して15〜25%の追加削減を実現でき、SEOランキングにも間接的に貢献する
具体例・実践方法
Brotli圧縮の実践的導入方法
- Nginxでの有効化
brotli on;
brotli_comp_level 6;
brotli_types text/plain text/css application/javascript application/json image/svg+xml;
- Apacheでの有効化
- mod_brotliモジュールをインストール
SetOutputFilter BROTLI_COMPRESS
SetEnvIfNoCase Request_URI .(?:gif|jpe?g|png)$ no-brotli
- Node.js/Expressでの実装
const compression = require('compression');
app.use(compression({ brotli: { enabled: true, zlib: {} } }));
- ビルド時の事前圧縮
- Webpack、Vite、Rollupで静的アセットを事前にBrotli圧縮
- `compression-webpack-plugin`でビルド時に`.br`ファイルを生成
- Nginx/Apacheで事前圧縮ファイルを優先配信
- CDNでの自動圧縮
- Cloudflare、Fastly、Amazon CloudFrontの自動Brotli圧縮機能を有効化
- 設定不要で自動適用される場合が多い
- 圧縮レベルの調整
- 静的ファイル(ビルド時圧縮): レベル11(最大圧縮)
- 動的コンテンツ(リアルタイム圧縮): レベル4-5(速度と圧縮率のバランス)
関連用語
注意点・補足
Brotli圧縮を使用する際の注意点は以下の通りです。
- Brotliは圧縮に時間がかかるため、動的コンテンツをリアルタイム圧縮する場合は圧縮レベル4〜5を推奨(レベル11は遅すぎる)
- 古いブラウザ(IE11、Android 4.x以前など)はBrotliをサポートしていないため、Gzipへのフォールバックが必要
- すでに圧縮済みのファイル(JPEG、PNG、MP4、WebP、AVIFなど)を再圧縮してもサイズは削減されず、CPUリソースを無駄にする
- HTTPS接続時のみBrotli圧縮が有効(HTTP接続では使用できない)
- サーバーのCPU負荷が高い場合、リアルタイム圧縮がボトルネックになる可能性があるため、事前圧縮を検討すべき
最新トレンド(2025年)
2025年現在のBrotli圧縮に関する最新トレンドは以下の通りです。
- Brotliは実質的な標準となっており、ほぼすべての主要CDNとホスティングプラットフォームがデフォルトで有効化している
- Vercel、Netlify、Cloudflare Pagesなどのモダンホスティングでは、自動的に最適な圧縮レベルが適用され、設定不要で利用できる
- 次世代圧縮アルゴリズムZstandard(Zstd)の検討も始まっており、一部のCDN(Fastly)で試験的にサポートされているが、まだ広く普及していない
- HTTP/3とQUICプロトコルの普及により、Brotli圧縮との組み合わせでさらなる高速化が実現している

