HTTPS化とは?|SEO関連用語集

読み方: エイチティーティーピーエスか(HTTPS / Hypertext Transfer Protocol Secure)

目次

概要

Webサイトとブラウザ間の通信を暗号化し、データ盗聴・改ざんを防ぐセキュリティプロトコル。Googleのランキング要因。

詳細説明

HTTPS化(HTTPS Migration)とは、WebサイトをHTTP(Hypertext Transfer Protocol)からHTTPS(HTTP Secure)に移行し、SSL/TLS証明書を使用して通信を暗号化することです。ユーザーのパスワード、クレジットカード情報、個人データなどが第三者に傍受・改ざんされるリスクを防ぎます。Googleは2014年8月にHTTPSをランキングシグナルとして正式に採用し、2018年7月以降Chromeブラウザは全HTTPサイトに「保護されていない通信」と警告を表示するようになりました。現在では、HTTPS化は信頼性とSEOの両面で不可欠な要素となっており、特にEコマース、金融、医療など個人情報を扱うサイトでは必須です。また、HTTP/2やHTTP/3などの最新プロトコルはHTTPS環境でのみ動作し、パフォーマンス向上にも寄与します。

重要性

HTTPS化が重要な理由は以下の通りです。

  • Googleのランキング要因。2014年からHTTPSは公式ランキングシグナルとなり、同等の品質ならHTTPSサイトが優先される
  • ブラウザの警告回避。Chrome、Firefox、SafariなどはHTTPサイトに「保護されていない通信」と警告を表示し、ユーザーの信頼を損なう
  • データ保護とユーザー信頼。パスワード、クレジットカード、個人情報の盗聴を防ぎ、ユーザーに安全なサイトであることを証明する
  • 最新技術の前提条件。HTTP/2、HTTP/3、Service Worker、PWA、WebAuthnなど最新Web技術の多くはHTTPS環境が必須
  • 決済システムの要件。Stripe、PayPal、クレジット決済など、すべての決済サービスがHTTPSを必須条件としている

具体例・実践方法

HTTPS化の実践手順

  1. SSL/TLS証明書の取得
  • Let’s Encrypt: 無料で自動更新可能なSSL証明書(最も推奨)
  • 有料証明書: DigiCert、GlobalSign、Comodo等(企業サイト、EV証明書が必要な場合)
  • ワイルドカード証明書: サブドメイン全体をカバー(*.example.com)
   # Let's Encryptでの証明書取得例(Certbot使用)
   sudo certbot --nginx -d example.com -d www.example.com
   # 自動更新設定
   sudo certbot renew --dry-run
  1. サーバー設定でHTTPSを有効化
  • Nginx、Apache、IISなどでSSL証明書をインストール
  • TLS 1.2以上を使用(TLS 1.0/1.1は非推奨)
  • 強力な暗号スイート設定(AES-GCM、ChaCha20-Poly1305)
   # Nginx設定例
   server {
       listen 443 ssl http2;
       server_name example.com;
       
       ssl_certificate /etc/letsencrypt/live/example.com/fullchain.pem;
       ssl_certificate_key /etc/letsencrypt/live/example.com/privkey.pem;
       ssl_protocols TLSv1.2 TLSv1.3;
       ssl_ciphers 'ECDHE-ECDSA-AES128-GCM-SHA256:ECDHE-RSA-AES128-GCM-SHA256';
   }
  1. HTTPからHTTPSへの301リダイレクト設定
   # すべてのHTTPリクエストをHTTPSにリダイレクト
   server {
       listen 80;
       server_name example.com www.example.com;
       return 301 https://$server_name$request_uri;
   }
  1. 内部リンクと外部リソースの更新
  • サイト内の全リンクをHTTPSに変更(`http://` → `https://` または相対パス使用)
  • 画像、CSS、JavaScript等の外部リソースもHTTPS化(Mixed Content警告回避)
  • データベース内のURLもHTTPSに一括置換
   -- WordPressでのURL一括変換例
   UPDATE wp_posts SET post_content = REPLACE(post_content, 'http://example.com', 'https://example.com');
   UPDATE wp_options SET option_value = REPLACE(option_value, 'http://example.com', 'https://example.com');
  1. HSTSヘッダー設定
   # HTTP Strict Transport Security(HSTS)
   add_header Strict-Transport-Security "max-age=31536000; includeSubDomains; preload" always;
  1. Google Search ConsoleでHTTPSプロパティ追加
  • 新しいHTTPSバージョンのプロパティを追加
  • サイトマップを再送信
  • アドレス変更ツールで移行を通知(HTTPからHTTPSへ)

関連用語

注意点・補足

HTTPS化時の注意点は以下の通りです。

  • 301リダイレクト必須。HTTPからHTTPSへの301リダイレクトを忘れると、重複コンテンツ問題が発生し、SEO順位が大幅に低下する
  • Mixed Content警告。HTTPSページ内にHTTPリソース(画像、CSS、JS)があると、ブラウザがブロックまたは警告を表示し、ページが正しく表示されない
  • 証明書の有効期限管理。Let’s Encryptは90日ごとに更新が必要(自動更新設定を推奨)。有料証明書も1〜2年で期限切れになる
  • パフォーマンス影響。TLS/SSLハンドシェイクにより初回接続が若干遅延する可能性(HTTP/2で相殺可能)
  • CDNとの連携。CloudflareなどのCDN使用時は、オリジンサーバーとCDN間もHTTPS化する(フルSSL/TLS設定)

最新トレンド(2025年)

2025年現在のHTTPS化に関する最新トレンドは以下の通りです。

  • HTTP/3 + QUICの普及: UDPベースのHTTP/3が標準化され、Cloudflare、Google、Fastly等のCDNで広く採用。TLS 1.3との組み合わせで接続高速化
  • TLS 1.3の完全移行: TLS 1.0/1.1は完全廃止、TLS 1.2も段階的縮小。TLS 1.3が標準となり、1-RTTまたは0-RTT接続で高速化
  • ECDSAとRSAのハイブリッド証明書: より軽量なECDSA証明書が主流になり、モバイルパフォーマンスが向上
  • 自動化されたSSL管理: ACMEプロトコル(Let’s Encrypt等)による完全自動化、証明書更新の手動作業が不要に

参考リンク・引用元

  1. Google – HTTPS as a Ranking Signal
  2. Let’s Encrypt – 無料SSL証明書
  3. Mozilla – HTTPS解説
  4. SSL Labs – サーバーテストツール

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