ページ体験とは?|SEO関連用語集

読み方: ぺーじたいけん
目次
概要
ページの読み込み速度、操作性、安定性、セキュリティなどを総合評価するGoogleのランキングシグナル。
詳細説明
ページ体験(Page Experience)とは、Googleが2021年6月に正式にランキング要因として導入した、ユーザーがWebページを利用する際の体験品質を測定する包括的指標です。Core Web Vitals(LCP、INP、CLS)を中核とし、モバイルユーザビリティ、HTTPS(セキュア接続)、煩わしいインタースティシャル広告の不使用などを総合的に評価します。従来のコンテンツの関連性や被リンク品質に加え、ユーザー体験そのものがランキングに影響するようになりました。ページ体験が優れたサイトは、同等のコンテンツを持つ競合サイトに対して検索順位で優遇されます。特にモバイル検索において重要性が高く、2024年以降はデスクトップ検索でも評価対象となっています。
重要性
ページ体験が重要な理由は以下の通りです。
- 直接的なランキング要因。Core Web Vitalsを含むページ体験シグナルは、Googleの公式ランキング要因であり、SEOに直接影響する
- 同等コンテンツでの優位性。コンテンツの質が拮抗している競合サイト間では、ページ体験が優れたサイトが上位表示される
- ユーザー満足度の向上。速くて使いやすいページはユーザーの満足度を高め、滞在時間や再訪率が向上する
- コンバージョン率への影響。ページ速度が1秒遅延するとコンバージョン率が7%低下するという調査結果があり、ビジネス成果に直結
- モバイルファーストインデックスの基盤。モバイル体験がランキングの基準となる現在、ページ体験の最適化は必須
具体例・実践方法
ページ体験の最適化実践方法
- Core Web Vitalsの改善
- LCP(Largest Contentful Paint): 2.5秒以下を目標に画像最適化、CDN導入、サーバー応答速度改善
- INP(Interaction to Next Paint): 200ms以下を目標にJavaScript最適化、長時間タスクの分割
- CLS(Cumulative Layout Shift): 0.1以下を目標に画像サイズ指定、フォント読み込み最適化
- PageSpeed Insightsでの定期測定
- 週次または月次でPageSpeed Insightsを実行
- モバイルとデスクトップ両方をチェック
- スコアだけでなく「改善できる項目」の具体的提案を実行
- HTTPS化(SSL/TLS証明書)の実装
- すべてのページをHTTPSで配信
- Let’s Encryptなど無料SSL証明書の活用
- 混在コンテンツ(Mixed Content)の排除
- モバイルユーザビリティの最適化
- レスポンシブデザインの実装
- タップターゲットサイズを最低48x48pxに設定
- テキストサイズを16px以上に設定
- Google Search Consoleの「モバイルユーザビリティ」レポートで問題確認
- 煩わしいインタースティシャルの削除
- ページ表示直後の全画面ポップアップを避ける
- 法的要件(Cookie同意、年齢確認)を除き、コンテンツを隠すオーバーレイを削除
- バナー広告はコンテンツを邪魔しない位置に配置
- Google Search Consoleでの監視
- 「ページエクスペリエンス」レポートで全体状況を確認
- Core Web Vitalsレポートで「不良」「改善が必要」なURLを特定
- 修正後、再検証リクエストを送信
関連用語
- Core Web Vitals
- LCP
- INP
- CLS
- モバイルユーザビリティ
- HTTPS
- PageSpeed Insights
- インタースティシャル
- ランキング要因
- UX
注意点・補足
ページ体験最適化の注意点は以下の通りです。
- コンテンツ品質が最優先。ページ体験が優れていても、コンテンツの関連性や質が低ければ上位表示されません
- 過度なスコア追求は不要。PageSpeed Insights 100点満点は必須ではなく、「良好」範囲(緑色)であれば十分
- 実データ(Field Data)を重視。Lab Dataよりも実際のユーザーデータ(CrUX)が評価に使われます
- 段階的な改善でOK。すべてを一度に完璧にする必要はなく、優先度の高い問題から順次対応しましょう
- デスクトップも無視しない。モバイルファーストですが、デスクトップ体験も2024年から評価対象です
最新トレンド(2025年)
2025年現在のページ体験に関する最新トレンドは以下の通りです。
- INPへの完全移行: 2024年3月にFIDがINPに置き換えられ、ページ全体のインタラクティブ性が重視される
- AI最適化ツールの普及: Cloudflare、Vercel、NetlifyなどがAI支援でCore Web Vitalsを自動最適化
- Interaction to Next Paint強化: Google ChromeがINP測定精度を向上し、より細かいインタラクティブ性評価が可能に
- ページ体験レポート統合: Google Search ConsoleがCore Web Vitals、モバイルユーザビリティ、セキュリティを統合表示

