SSRとは?|SEO関連用語集

読み方: エスエスアール(Server-Side Rendering / サーバーサイドレンダリング)
目次
概要
Webページをサーバー側でHTMLにレンダリングしてブラウザに送信する技術。JavaScriptフレームワークのSEO対策として必須。
詳細説明
SSR(Server-Side Rendering / サーバーサイドレンダリング)とは、React、Vue、Angular等のJavaScriptフレームワークで構築されたWebページを、サーバー側で完全なHTMLとしてレンダリングしてからブラウザに送信するレンダリング技術です。従来のCSR(Client-Side Rendering / クライアントサイドレンダリング)では、ブラウザがJavaScriptを実行してコンテンツを生成するため、検索エンジンクローラーがコンテンツを認識できない問題がありました。SSRでは、ユーザーのリクエストごとにサーバーが動的にHTMLを生成し、完全にレンダリングされた状態で配信するため、Googlebotは即座にコンテンツをインデックスできます。Next.js(React)、Nuxt.js(Vue)、Angular Universal等のフレームワークがSSRをネイティブサポートしています。初回ロードはSSR、以降のページ遷移はCSRで高速化するハイブリッド方式が一般的です。
重要性
SSRが重要な理由は以下の通りです。
- JavaScriptアプリケーションのSEO対策。CSRのみのSPA(Single Page Application)では、Googlebotがコンテンツを正しくインデックスできない、またはインデックスに時間がかかる問題がSSRで解決
 - 初回表示速度の改善。CSRでは、JavaScript読み込み→実行→データ取得→レンダリングと時間がかかるが、SSRは完全なHTMLを即座に表示でき、LCP(Largest Contentful Paint)が大幅に改善
 - SNSシェアの最適化。Facebook、Twitter等のOGPクローラーはJavaScriptを実行しないため、CSRではシェア時のプレビューが表示されない。SSRで解決
 - アクセシビリティの向上。JavaScriptが無効な環境(一部の企業ネットワーク、古いブラウザ)でもコンテンツが表示される
 - Core Web Vitalsの改善。SSRによりFCP(First Contentful Paint)、LCPが向上し、Googleのランキングシグナルであるページ体験スコアが改善
 
具体例・実践方法
SSRの実践手順
- Next.js(React)でSSR実装
 
   // pages/products/[id].js
   export async function getServerSideProps(context) {
     const { id } = context.params
     
     // サーバー側でデータ取得(毎リクエスト実行)
     const res = await fetch(`https://api.example.com/products/${id}`)
     const product = await res.json()
     
     return {
       props: { product }, // ページコンポーネントにpropsとして渡される
     }
   }
   
   export default function ProductPage({ product }) {
     return (
       
         {product.name}
         {product.description}
         価格: {product.price}円
       
     )
   }
- Nuxt.js(Vue)でSSR実装
 
   // pages/products/_id.vue
   
     
       {{ product.name }}
       {{ product.description }}
     
   
   
   
- SSRとCSRのハイブリッド戦略
 
- 初回ページロード: SSRで完全なHTMLを配信(SEO最適化)
 - 以降のページ遷移: CSRで高速なSPA体験(JavaScriptでのルーティング)
 - SEO重要ページ(商品、記事): SSR
 - ユーザー専用ページ(ダッシュボード): CSR
 
- TTFBとLCPのバランス調整
 
- SSRのデメリット: サーバー処理時間によりTTFB(Time to First Byte)が遅延
 - 対策1: データベースクエリ最適化、インデックス作成
 - 対策2: Redis等のキャッシュでデータ取得高速化
 - 対策3: CDNエッジでSSR実行(次セクション参照)
 
- キャッシュ戦略でサーバー負荷軽減
 
   // Next.jsでのCache-Control設定例
   export async function getServerSideProps({ res }) {
     res.setHeader(
       'Cache-Control',
       'public, s-maxage=10, stale-while-revalidate=59'
     )
     // 10秒間CDNキャッシュ、59秒間はstaleコンテンツ配信しつつ裏で更新
     
     const data = await fetchData()
     return { props: { data } }
   }
- SEO最適化のメタタグ動的生成
 
   import Head from 'next/head'
   
   export default function ProductPage({ product }) {
     return (
       <>
         
           {product.name} | ECサイト名 
           
           
           
         
         {/* コンテンツ */}
       >
     )
   }
関連用語
- CSR
 - ISR
 - 動的レンダリング
 - ハイブリッドレンダリング
 - JavaScript SEO
 - Next.js
 - Nuxt.js
 - SPA
 - TTFB
 - LCP
 
注意点・補足
SSRの注意点は以下の通りです。
- サーバー負荷の増加。リクエストごとにサーバーでHTMLを生成するため、トラフィックが多いとサーバーコストが大幅に増加。ISRやキャッシュ戦略で軽減
 - TTFBの遅延。データベースクエリ、外部API呼び出しに時間がかかると、TTFBが1〜2秒になる可能性。Core Web Vitalsに悪影響
 - すべてのページでSSRは不要。ダッシュボード、マイページ等のログイン後ページはSEO不要なため、CSRで十分。ページごとに最適なレンダリング方法を選択
 - 開発の複雑性。サーバーとクライアントで異なるコード実行環境(window, document等はサーバーで未定義)のため、条件分岐が必要
 - エラー処理の重要性。外部API障害時にSSRが失敗すると、ページ全体が表示されない。フォールバック処理が必須
 
最新トレンド(2025年)
2025年現在のSSRに関する最新トレンドは以下の通りです。
- エッジSSR(Edge-Side Rendering): Vercel Edge Functions、Cloudflare Workers、Deno Deploy等でエッジロケーションでSSR実行。全世界で50ms以下のTTFBを実現
 - React Server Components: Reactの新機能で、サーバー専用コンポーネントによりバンドルサイズ削減とSSRパフォーマンス向上
 - Streaming SSR: Next.js 13 App Router、Remix等で、ページを部分的にストリーミング配信し、TTFB改善とUX向上
 - 部分的ハイドレーション: Astro、Qwik等の新フレームワークが、必要な部分のみJavaScriptをロードし、SSRとCSRの利点を両立
 

