TTFB (Time to First Byte)とは?|SEO関連用語集

読み方: ティーティーエフビー / タイムトゥファーストバイト
目次
概要
TTFB(Time to First Byte)とは、ブラウザがサーバーにリクエストを送信してから、最初の1バイトのデータを受信するまでの時間を測定する指標です。
詳細説明
TTFB(Time to First Byte)は、Webサーバーの応答性を測定する基本的なパフォーマンス指標です。ユーザーがURLにアクセスしてから、サーバーがHTMLドキュメントの最初のバイトをブラウザに送信するまでの時間を計測します。TTFBには、DNSルックアップ、TCP接続、TLSハンドシェイク、サーバー処理時間が含まれます。TTFBが遅いと、その後のすべての読み込みプロセスが遅延するため、LCPやFCPなど他のパフォーマンス指標にも悪影響を及ぼします。良好なTTFBは0.8秒以内とされています。サーバーの性能向上、CDNの利用、キャッシュの最適化などで改善できます。
重要性
TTFBが重要な理由は以下の通りです。
- ページ読み込み全体の基礎となり、LCP、FCPなど他の指標に影響する
- サーバーとネットワークのパフォーマンスを直接反映する
- TTFBが遅いと、ユーザーが「何も起こっていない」と感じて離脱するリスクがある
- 検索エンジンのクローラーにとっても、TTFBが遅いとクロール効率が低下する
- モバイルネットワークでは特に重要な指標となる
具体例・実践方法
TTFBの改善方法
- TTFBの測定方法
- Chrome DevToolsのNetworkタブ
- PageSpeed Insights
- WebPageTest
- GTmetrix
- curlコマンド: `curl -w “@curl-format.txt” -o /dev/null -s https://example.com`
- TTFBの評価基準
- 良好(Good): 0.8秒(800ミリ秒)以内 ✅
- 改善が必要(Needs Improvement): 0.8〜1.8秒 ⚠️
- 不良(Poor): 1.8秒超 ❌
- TTFBの構成要素
- DNSルックアップ時間
- TCP接続時間
- TLS/SSLハンドシェイク時間
- サーバー処理時間
- 最初のバイトの送信時間
- TTFB改善の具体的施策
a. CDNの使用
- Cloudflare、Amazon CloudFront、Fastlyなどの導入
- ユーザーに最も近いエッジサーバーから配信
- 静的コンテンツだけでなく、動的コンテンツもエッジでキャッシュ
b. サーバーサイドキャッシュの実装
// PHPでのページキャッシュ例
$cache_file = 'cache/page-' . md5($_SERVER['REQUEST_URI']) . '.html';
$cache_time = 3600; // 1時間
if (file_exists($cache_file) && (time() - $cache_time < filemtime($cache_file))) {
// キャッシュファイルを出力
include($cache_file);
exit;
}
ob_start();
// ページ生成処理
$content = ob_get_contents();
file_put_contents($cache_file, $content);
ob_end_flush();
c. データベースクエリの最適化
- インデックスの追加
- N+1問題の解消
- 不要なクエリの削除
- クエリキャッシュの活用
d. サーバーの性能向上
- 高速なホスティングサービスへの移行(SSD、高性能CPU)
- PHP 8.x、HTTP/2、HTTP/3の使用
- メモリ・CPUリソースの増強
e. HTTPキャッシュヘッダーの設定
# .htaccess
ExpiresActive On
ExpiresByType image/jpg "access plus 1 year"
ExpiresByType text/css "access plus 1 month"
ExpiresByType application/javascript "access plus 1 month"
Header set Cache-Control "max-age=31536000, public"
f. Gzip/Brotli圧縮の有効化
# .htaccess
AddOutputFilterByType DEFLATE text/html text/plain text/xml text/css text/javascript application/javascript
g. サーバーレス・エッジコンピューティングの活用
- Cloudflare Workers
- Vercel Edge Functions
- AWS Lambda@Edge
- WordPress でのTTFB改善
- 高速なホスティング(Kinsta、WP Engine等)への移行
- キャッシュプラグイン(WP Rocket、W3 Total Cache)
- オブジェクトキャッシュ(Redis、Memcached)の導入
- 不要なプラグインの削除
関連用語
注意点・補足
TTFBを改善する際の注意点は以下の通りです。
- TTFBはサーバーの地理的位置に大きく影響されるため、ターゲット地域に近いサーバーを選ぶ
- キャッシュを過度に活用すると、動的コンテンツの更新が反映されない問題が発生する
- 共用サーバーでは他のサイトの影響を受けてTTFBが不安定になる場合がある
- TTFBだけでなく、LCP、INPなど総合的なパフォーマンスを評価する
最新トレンド(2025年)
2025年現在のTTFBに関する最新トレンドは以下の通りです。
- HTTP/3とQUICプロトコルの普及により、TTFBが大幅に改善
- エッジコンピューティングの発展で、動的コンテンツのTTFBも高速化
- Speculation Rules APIにより、次ページのプリレンダリングでTTFB体感速度が向上
- Core Web VitalsにおけるTTFBの重要性が再認識され、0.6秒以内を目指す動きが拡大

