TTLとは?|SEO関連用語集

読み方: ティーティーエル(Time To Live)
目次
概要
TTLとは、DNSレコードやキャッシュデータが有効とされる時間を秒単位で指定する設定値です。
詳細説明
TTL(Time To Live)とは、DNSレコードがキャッシュサーバーやリゾルバに保存される期間を定義する設定値で、秒単位で指定されます。例えば、TTLが3600(1時間)の場合、DNSサーバーは1時間そのレコードをキャッシュし、その後再取得します。短いTTL(300〜600秒)は変更が迅速に反映される利点がありますが、DNS解決回数が増えてパフォーマンスに影響します。長いTTL(86400秒〜)はキャッシュ効率が高くパフォーマンスが向上しますが、DNS設定変更時の反映に時間がかかります。サイト移行、サーバー変更、CDN切り替えなどの際には、事前にTTLを短く設定することでダウンタイムを最小化できます。
重要性
TTLが重要な理由は以下の通りです。
- 適切なTTL設定により、DNS解決のパフォーマンスとDNS変更の柔軟性のバランスを取ることができる
 - サイト移行時やサーバー変更時に、事前にTTLを短く設定することでダウンタイムを最小化できる
 - 長いTTLはDNS解決頻度を減らし、TTFB改善とサーバー負荷軽減に貢献する
 - 誤ったTTL設定は、DNS変更時の長時間の障害や、パフォーマンス低下の原因となる
 - CDNやロードバランサーの切り替え時に、TTL管理が成功の鍵となる
 
具体例・実践方法
TTLの実践的設定方法
- 通常運用時のTTL設定
 
- 推奨値: 3600秒(1時間)〜86400秒(24時間)
 - 安定したサイトでは長いTTLでパフォーマンス向上
 - DNS変更の頻度が低い場合は86400秒(24時間)
 
- サイト移行・サーバー変更時のTTL調整
 
- 移行24〜48時間前: TTLを300〜600秒(5〜10分)に短縮
 - 変更実施: DNS設定を新サーバーのIPアドレスに変更
 - 移行完了後: TTLを元の長さ(3600〜86400秒)に戻す
 
- CDN導入時のTTL設定
 
- CDN切り替え前: TTLを300秒に短縮
 - CNAMEレコードをCDNに変更
 - 切り替え完了後: TTLを3600秒に延長
 
- DNS TTLとHTTPキャッシュTTLの違い
 
- DNS TTL: ドメイン名→IPアドレス解決のキャッシュ時間
 - HTTP Cache-Control: コンテンツ(HTML、画像など)のキャッシュ時間
 - 両方を適切に設定することでパフォーマンス最大化
 
- TTL確認方法
 
   dig example.com
   nslookup example.com
関連用語
注意点・補足
TTLを使用・設定する際の注意点は以下の通りです。
- TTLを極端に短く設定する(60秒以下)と、DNS解決の頻度が増えてパフォーマンスが低下し、DNSサーバーへの負荷も増大する
 - TTLを極端に長く設定する(604800秒=7日など)と、DNS設定変更時に古い情報が長時間キャッシュされ、障害が長引く可能性がある
 - サイト移行時にTTL短縮を忘れると、新サーバーへの切り替えに数日かかる場合がある
 - TTL変更自体も、変更前のTTL期間だけ反映に時間がかかる(例: 86400秒のTTLを300秒に変更しても、最大24時間は古いTTLが有効)
 - CDNのTTLとDNSのTTLを混同しないよう注意が必要
 
最新トレンド(2025年)
2025年現在のTTLに関する最新トレンドは以下の通りです。
- 多くのDNSプロバイダー(Cloudflare、Route 53など)がダイナミックTTL機能を提供し、トラフィックパターンや変更頻度に応じて自動的にTTLを調整する機能が登場している
 - Anycast DNSの普及により、地理的に分散したDNSサーバーからの高速応答が実現し、長いTTLによるパフォーマンス影響が軽減されている
 - DNS-over-HTTPS(DoH)とDNS-over-TLS(DoT)の普及により、DNSキャッシュの動作が変化し、TTL管理がより重要になっている
 - Cloudflare、Fastlyなどのモダンなプラットフォームでは、DNSとCDNのTTL管理が統合され、最適化が自動化されている
 

