この記事のポイント
  • インハウスSEOは「完全内製」「半内製」「外注」の3パターンがある
  • 最大のメリットはノウハウの蓄積とPDCAスピード。デメリットは人材確保の難しさ
  • 向き不向きは10項目のチェックリストで判断できる
  • 始め方はLv.0〜Lv.8のロードマップで段階的に進める
  • 最初の3ヶ月は「現状把握→設計→最初の施策」の順で動く

インハウスSEOとは、SEO施策を外注せず自社内で行う運用体制のことです。完全に内製する方法から、一部を外注する「セミインハウス」まで、いくつかのパターンがあります。

「外注に月数十万払っているのに、何が改善されたのか正直よく分からない」「上司から『SEO内製化できない?』と聞かれたけど、何から始めればいいか分からない」。そんな状況の方は多いのではないでしょうか。

筆者は数万ページ規模の求人サイトで、2〜3人のチームでインハウスSEOを2年間推進してきました。コアアップデートでトラフィックが半減した経験もありますが、8ヶ月で回復し、1年後にはアップデート前の2.1倍のアクセスを達成しています。

この記事では、その実体験をもとに、インハウスSEOの全体像からメリット・デメリット、向き不向きの判断基準、そして段階的に進められるロードマップまでを解説します。

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インハウスSEOとは?外注SEOとの違い

まず「インハウスSEO」の定義と、外注との違いを整理しましょう。

インハウスSEOの定義

インハウスSEOとは、SEO施策の企画・実行・改善を自社内で一貫して行う運用体制のことです。「SEO内製化」「SEOインハウス化」とも呼ばれますが、どれも同じ意味を指します。

外注SEOとの最大の違いは、施策の意思決定と実行が社内で完結するかどうか。外注の場合、SEOコンサル会社が分析・提案し、自社が承認・実行する流れになります。インハウスの場合は、分析から実行まで全て自分たちで行います。

3つの運用パターン(完全内製・半内製・外注)

実際の運用は「完全内製か完全外注か」の二択ではありません。大きく3パターンに分かれます。

SEO運用の3パターン比較図(完全内製・半内製・外注)
比較項目完全内製半内製(セミインハウス)完全外注
戦略・設計自社自社外注先
実行(記事制作等)自社一部外注外注先
品質管理自社自社外注先
月額コスト目安
※社内人件費を除く
ツール費のみ
1〜5万円
+社内人件費
外注費
10〜30万円
+社内人件費
コンサル費+制作費
30〜100万円以上
PDCAスピード速いやや速い遅い
ノウハウ蓄積

※コスト目安は「社内人件費を除いた直接費用」で比較しています。社内人件費は担当者の人数・兼任度合いによって大きく変わるため、各社の状況に合わせて加算してください。完全内製の場合、直接費用はツール代だけで済みますが、担当者の稼働時間は最も多くなります。

筆者の経験では、最初から完全内製は難しいケースが多いと感じています。私のチームでも、ライティングはクラウドソーシングで外注しつつ、KW設計・構成作成・品質チェックは社内で行う「セミインハウス」から始めました。徐々に内製比率を上げていくのが現実的な進め方です。

なぜ今インハウスSEOが注目されているのか

インハウスSEOが注目を集める背景には、3つの変化があります。

インハウスSEOが注目される3つの理由
  • Googleが「実体験」を重視するようになった
    Helpful Content Update以降、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の重要性が増しました。自社の一次情報を持つインハウスチームは、この点で圧倒的に有利です
  • AI記事の氾濫で「独自性」が差別化要因に
    誰でもAIで記事を量産できる時代。自社にしかない業界知識やデータが、他サイトとの差を生みます
  • 外注費への疑問とブラックボックス問題
    「何にいくら使って、何が改善されたのか分からない」という声は、多くの企業で聞かれます

インハウスSEOのメリット5つ

インハウスSEOに切り替えることで得られる具体的なメリットを5つ紹介します。

ノウハウが社内に蓄積される

外注SEOの場合、施策の背景にある「なぜこのKWを選んだのか」「なぜこの構成にしたのか」という判断プロセスが社内に残りにくくなります。レポートは残っても、それを読み解いて次の施策に活かせる人がいなければ意味がありません。

インハウスで運用すれば、成功パターンも失敗パターンも全て社内の資産として蓄積されます。

私のチームでは、調査→構成→執筆→レビューの全工程をテンプレート化し、記事構成作成シートやSlackワークフローで標準化しました。メンバーが入れ替わっても同じ品質を出せる「みんなが70点以上取れる仕組み」を作ることで、属人化も防げます。

PDCAサイクルが圧倒的に速い

外注の場合、「依頼→見積もり→実行→報告」のサイクルに2〜4週間かかることも珍しくありません。インハウスなら、気づいたその日に対応できます。

たとえば検索順位が急落したとき。外注なら来月のレポートで初めて気づくかもしれません。私たちは毎朝5分だけGoogle Search Consoleをチェックする習慣を付けていたので、異変があれば翌日には原因調査を始められました。

このスピード感は、アルゴリズムアップデートへの対応でも大きな差になります。

外注費を削減できる

SEO外注の相場は月30〜100万円以上。年間で360〜1,200万円です。インハウスなら人件費+ツール費で月10〜30万円程度に抑えられます。

コスト比較の注意点
  • 「人件費はタダ」ではない。担当者の工数もコストとして計算すべき
  • 特に兼務の場合、SEOに使える時間が限られるため、成果が出るまでに時間がかかることもある
  • 短期的にはコンサル導入の方が速く成果が出るケースもある

それでも、中長期で見ればノウハウが蓄積される分、インハウスのコストパフォーマンスは高くなります。

自社の専門知識をコンテンツに活かせる

GoogleがE-E-A-Tを重視する今、自社にしか書けないコンテンツは最大の武器です。外注ライターには業界の一次情報は書けません。

筆者は求人サイトを運営していたからこそ書ける、業界特有のノウハウや実際の応募データに基づく記事を多数作成してきました。「転職市場の動向」や「職種ごとの年収実態」など、自社データを使った記事は外部ライターにはどう頑張っても書けないコンテンツです。

事業理解に基づいた意思決定ができる

「どのキーワードが売上につながるか」は、事業を理解している社内の人間にしか判断できません。

外注コンサルは検索ボリュームやKDで優先度を決めがちですが、インハウスなら「このKWで流入したユーザーはCVしやすい」という肌感覚をもとに判断できます。KW設計からCV動線まで一気通貫で考えられるのは、インハウスならではの強みです。

インハウスSEOのデメリット・よくある課題

メリットだけでなく、インハウスSEOで実際にぶつかる壁も正直にお伝えします。

SEO人材の確保・育成が難しい

「コンテンツ制作もテクニカルSEOも分析も全部できる人」は、市場にほとんどいません。採用しようにもSEO人材は争奪戦です。

ただし、最初から全領域をカバーする必要はありません。まずはコンテンツSEO(記事制作・リライト)から始めて、テクニカルSEOや被リンク戦略は段階的にスキルを広げていくのが現実的です。

属人化リスクがある

担当者1人にノウハウが集中し、その人が退職すると全てがゼロに戻る。これはインハウスSEOで最もよく聞く問題です。

私はこの課題に対して、仕組みで解決するアプローチを取りました。具体的には以下を整備しています。

属人化を防ぐために整備したもの
  • 調査→構成→執筆→レビューの各工程をテンプレート化
  • 記事構成作成シートの標準フォーマット
  • Slackワークフローによる進捗管理の自動化
  • Googleドキュメントの「修正箇所の提案」機能を活用したレビューフロー

こうした仕組みがあれば、SEO経験がないメンバーでも一定の品質で記事を作れるようになります。

最新動向のキャッチアップが必要

SEOの世界は変化が激しく、コアアップデートやAI検索の台頭など、常に新しい動きがあります。外注なら「コンサル会社がキャッチアップしてくれる」というメリットがありますが、インハウスだと自分たちで追いかける必要があります。

ただ、そこまで負担に感じる必要はありません。信頼できる情報源を2〜3個固定して、週30分チェックする習慣があれば十分です。

テクニカルSEOでエンジニア連携が必要になる

canonical制御、構造化データ、サイト速度改善など、テクニカルな施策はエンジニアの協力なしには進められません。

マーケティング担当とエンジニアの連携フロー図

私も最初は苦労しました。「SEOのためにこの改修をしてほしい」と言っても、仮説段階では開発チームの理解を得るのが難しかったからです。

解決策は3つありました。

エンジニアとの連携で意識したこと
  • 小さな施策で実績を作る
    まず負担の少ない改修から依頼し、その効果を数字で報告する
  • 全社共有の場で成果を発信する
    「開発チームに協力してもらってこんな成果が出た」と、開発チームの功績として共有する
  • 感謝を言葉にする
    結果報告とお礼を丁寧に行う。当たり前のようで、意外と忘れがち

インハウスSEOに向いている企業・向いていない企業

「うちの会社でもできるのか?」を判断するための基準を整理しましょう。

向いている企業の特徴

インハウスSEOは全ての企業に合うわけではありません。以下の特徴に多く当てはまるほど、内製化のメリットを活かしやすくなります。

向いている企業
  • SEOがメインの集客チャネルである(or なりうる)
  • 自社の専門知識・独自データを持っている
  • 最低1人、SEOに週10時間以上を充てられる担当者がいる
  • 改善サイクルを自分たちで回したい意思がある
  • 中長期的な投資として捉えられる(半年〜1年で成果を待てる)

特に「自社にしか書けない情報がある」企業はインハウスSEOと相性が良いです。E-E-A-Tの観点からも、自社の専門知識をコンテンツにできるのは大きな強みになります。

向いていない企業の特徴

逆に、以下に当てはまる場合は無理にインハウス化する必要はありません。外注やセミインハウスのほうが効率的なケースもあります。

向いていない企業
  • 広告がメインで、SEOの優先度が低い
  • SEO担当者がゼロで、採用・兼務の予定もない
  • 3ヶ月以内の短期成果を求めている

「向いていない=SEOをやらなくていい」ではありません。自社でやるかどうかの話です。SEOの優先度が低い企業でも、外注で最低限のSEO対策をしておくことは有効です。

10項目の自己診断チェックリスト

以下の10項目のうち、いくつ当てはまるかチェックしてみてください。

インハウスSEO適性チェック
  1. オーガニック検索からの集客が事業にとって重要だ
  2. 業界の専門知識や独自データを社内に持っている
  3. SEOに週10時間以上を充てられる担当者がいる(兼務OK)
  4. 新しいことを学ぶ意欲のある人材がいる
  5. 半年〜1年のスパンで成果を待てる
  6. コンテンツ制作を継続できる体制がある(外注含む)
  7. Google Search ConsoleやGA4を導入済み(or すぐ導入できる)
  8. エンジニアに技術的な改修を依頼できる関係性がある
  9. 経営層がSEOの重要性を理解している
  10. 現在の外注に対して「何が改善されたか分からない」と感じている
インハウスSEOの向き不向き判断フローチャート

7個以上該当する場合は完全内製を検討できます。4〜6個ならセミインハウス(一部外注)が現実的。3個以下なら、まずは外注で基盤を作ってから段階的に内製化を進めるのがおすすめです。

インハウスSEOの実践ロードマップ(Lv.0〜Lv.8)

ここからは、インハウスSEOを段階的に進めるためのロードマップを紹介します。Lv.0から順番に進める必要はありませんが、各レベルの内容を把握しておくことで「今どこにいて、次に何をすべきか」が明確になります。

インハウスSEOロードマップの全体像(Lv.0〜Lv.8)

Lv.0|SEOの基礎を理解する

いきなり施策に走る前に、まずSEOの全体像を把握しましょう。SEOには大きく3つの柱があります。

SEOの3本柱
  • コンテンツSEO
    検索意図に合った良質な記事を作る
  • テクニカルSEO
    Googleがサイトを正しくクロール・インデックスできる技術基盤を整える
  • 外部SEO(被リンク)
    他サイトからの引用やリンクを獲得し、サイトの信頼性を高める

全部を一度にやる必要はありません。まずこの3つがあると知っておくだけで、自分が今どこに注力しているかが分かるようになります。

関連記事 【2026年最新】SEO対策とは?基礎知識と対策方法をわかりやすく解説

Lv.1|ツールを準備する

何をするにも、まずデータが見れる状態を作らないと始まりません。最低限必要なのは以下の2つです。

最初に導入すべきツール
  • Google Search Console
    どんなKWで検索されているか、インデックスの問題がないかを確認する
  • Google Analytics 4(GA4)
    サイトへの流入数やユーザー行動を把握する

どちらも無料で、設定自体は30分もあれば完了します。この2つがなければ現状把握も効果測定もできないので、最優先で導入してください。

余裕があれば、順位チェックツールやAhrefsなどの競合分析ツールも後から追加していきます。

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Lv.2|現状を把握する

ツールが入ったら、次は今の状態を正しく把握しましょう。多くの人がここを飛ばしていきなり施策に入ってしまいますが、それは遠回りです。

やるべきことはシンプルです。「自分のサイトに何の記事があるかを全て把握する」。これだけ。

タイトル、公開日、更新日、インデックス状況、検索順位、内部リンクの状態。これらを一覧にしてみると、「この記事は情報が古い」「このKWは記事がない」「この2記事は内容が重複している」といった課題が見えてきます。

「自分が何の記事を持っているか把握できていなくて、打ち手が分からない」という状態が一番もったいないです。これは私自身も経験しましたし、相談を受ける中で最もよくある問題でもあります。

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Lv.3|キーワード戦略を立てる

現状が把握できたら、「理想の状態」を設計しましょう。誰に何を届けたいのか。どのキーワードで検索する人を、どのページに呼びたいのか。

ここで一番大事なのは「ターゲットを明確にすること」。誰に何を売りたいのか。ここは絶対にブラさない。

KW設計では、検索ボリュームだけでなく「そのKWで流入した人がCVにつながるか」を軸に優先度を決めます。ボリュームが大きくてもCVに遠いKWより、小さくても購買意欲が高いKWの方が優先度は上です。

理想の状態と現状の差分が、やるべきことリストになります。差分があるもの→新規記事。既存記事で対応できるもの→リライト。この考え方は、新規サイトでも既存サイトでも同じです。

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Lv.4|コンテンツを作る・直す

戦略が決まったら、実際にコンテンツを制作していきます。新規記事の作成とリライトの2つが柱です。

私のチームでは、月10本の新規記事と15〜20本のリライトを2〜3人で回していました。全員がSEO未経験だったので、誰でも一定の品質を出せる仕組みづくりに力を入れました。

コンテンツ制作で標準化したこと
  • 競合調査→SERP分析→検索意図の深掘り、という調査フローの統一
  • 記事構成作成シート(テンプレート)の整備
  • Googleドキュメントの「提案モード」を使ったレビューフロー
  • 記事公開後に既存記事からの内部リンクを追加するステップの組み込み

リライトは「順位が下がった記事を直す」だけではありません。情報が古くなった記事の更新、検索意図と内容のズレ修正、独自情報の追加など、やることは多岐にわたります。

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Lv.5|テクニカルSEOを整える

コンテンツがある程度揃ってきたら、技術基盤の整備にも目を向けます。「良い記事を書いているのに順位が上がらない」場合、テクニカルな問題が原因であることも多いです。

チェックすべきテクニカルSEOの基本項目
  • ページの表示速度(Core Web Vitals)
  • モバイル対応(レスポンシブデザイン)
  • 構造化データの実装
  • canonical設定の適切さ
  • リンク切れ・リダイレクトエラーの解消
  • robots.txtやnoindex設定の確認

特にデータベース型サイトの場合、テンプレートレベルでの改善が必須です。数万ページを1ページずつ直すのは現実的ではないので、ルールや条件の見直しで品質を担保するアプローチが求められます。

関連記事 リンク切れとは?SEOへの影響と原因、直し方を完全解説

Lv.6|内部リンク・サイト構造を最適化する

記事が増えてきたら、記事同士のつながり(内部リンク)を整備しましょう。内部リンクはGoogleにサイトの構造を伝えるだけでなく、ユーザーの回遊率向上やページ評価の分配(リンクジュース)にも直結します。

パンくずリストの設計、関連記事へのリンク追加、トピッククラスターに基づいたサイロ構造の構築。地味ですが、確実に効果が出る施策です。

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Lv.7|被リンクを獲得する

外部サイトからのリンク(被リンク)は、Googleがサイトの信頼性を判断する重要なシグナルです。ただし、リンクを「買う」「大量に交換する」といった手法は逆効果です。

自然な被リンクを獲得するには、引用したくなるコンテンツを作ることが王道です。オリジナルの調査データや業界レポート、網羅的なガイド記事は他のサイトから参照される可能性が高くなります。

関連記事 ページランクとは?Googleの評価本質を理解しSEOに活かす方法

Lv.8|効果測定・改善サイクルを回す

施策を実行するだけでなく、「やったことがどうだったか」を振り返る仕組みを作りましょう。

最低限押さえたいKPI
  • オーガニック流入数(全体 + 主要ページ別)
  • 検索順位の推移(主要KW)
  • インデックス数の推移
  • CV数・CV率(問い合わせ、申し込み等)

細かすぎる分析は不要です。やった施策がどうだったか、サイト全体の状態がどう変化しているか。この2点が分かれば十分です。

関連記事 ブログ・オウンドメディアの記事管理方法とSEO分析・改善サイクル

インハウスSEOの最初の3ヶ月でやるべきこと

ロードマップの全体像が分かったところで、「で、まず何からやればいいの?」を具体的に解説します。

インハウスSEO最初の3ヶ月のタイムライン

1ヶ月目|現状把握と設計

最初の1ヶ月は「動く」よりも「見る」に集中しましょう。

1ヶ月目のやることリスト
  • GSC・GA4の導入と基本的なダッシュボード構築
  • 既存記事の棚卸し(何があるか、何が足りないか)
  • インデックス状況の確認、技術的な問題の洗い出し
  • 競合サイトの調査(どんなKWで上位を取っているか)
  • KW設計・サイト構造の設計(理想の状態を描く)

「理想に対して現状との差分を把握し、それを埋める」。新規でも既存サイトでも、やることの本質は同じです。

2ヶ月目|基盤構築と最初の施策

現状把握が済んだら、仕組みを整えながら最初の施策を動かしましょう。

2ヶ月目のやることリスト
  • 記事制作のテンプレート・チェックリスト・レビューフローの整備
  • 優先度の高いKWで最初の記事を3〜5本公開
  • テクニカルな問題(インデックスエラー、リンク切れ等)の修正
  • 既存記事で情報が古いものの更新

焦りすぎて質の低い記事を量産するのは逆効果です。最初の数本は丁寧に作り、そのプロセスを仕組み化することに注力してください。

3ヶ月目|運用ルーティンの確立

3ヶ月目からは「続けられる仕組み」を固めます。

3ヶ月目のやることリスト
  • 効果測定の仕組みを導入(週次の順位チェック、月次レポート)
  • 記事公開→効果確認→改善のサイクルを定着させる
  • 初期成果を社内に共有し、インハウスSEOへの理解と協力を得る

3ヶ月で大きな成果を出そうとする必要はありません。「施策を回し続けられる状態」が作れていれば、それが最大の成果です。

インハウスSEOの日常ルーティン

軌道に乗った後の日常ルーティンも紹介します。「毎日何時間もかかるのでは?」と心配する方がいますが、要点を押さえればそこまで時間はかかりません。

頻度所要時間やること
毎日5分GSCで異常値チェック(インデックスエラー、急激な順位変動)
週次30分KW順位の変動確認、施策の進捗チェック、情報収集
月次2時間月間レポート作成、施策の振り返り、翌月の計画策定
四半期半日KW戦略の見直し、サイト監査、中長期計画の修正

少人数チームだと、どうしても時間が足りなくなります。だからこそ「全部を細かく見る」のではなく、「変化があったところだけ深掘りする」のがポイント。やった施策がどうだったかは必ず把握する。でも、細かすぎなくていい。このバランスが大事です。

セミインハウスSEOとは?外注と内製のいいとこ取り

「完全内製は難しいけど、外注に丸投げもしたくない」。そんな場合は、セミインハウスという選択肢があります。

セミインハウスSEOとは

セミインハウスSEOとは、戦略・設計・品質管理は自社で行い、一部の実行(主にライティング)を外注するパターンです。

完全内製と完全外注の中間に位置する運用体制で、「自社で考えて、手を動かす部分だけ外の力を借りる」というイメージです。特にSEO担当が1〜2人しかいない企業や、初めてインハウスSEOに取り組む企業に向いています。

実際、私のチームでもこのパターンを採用していました。KW設計と品質管理は社内で握りつつ、ライティングはクラウドソーシングで確保。記事構成シートとレビューフローを整備することで、外注ライターでも一定品質の記事を安定して作れる体制を構築しました。

セミインハウスのメリット
  • 少人数でも記事の本数を確保できる
  • 戦略は自社で握るのでノウハウが蓄積される
  • 完全外注より低コスト、完全内製より生産性が高い
  • AIライティングとの併用で効率がさらに上がる
セミインハウスのデメリット
  • 外注ライターの品質管理に工数がかかる
  • 自社の独自情報を記事に反映しにくい
  • ディレクション能力が必要(構成を作れないと発注できない)
  • ライターとのコミュニケーションコストが発生する

内製する部分と外注する部分の切り分け方

セミインハウスで最も重要なのは「どこを自社で握り、どこを外に出すか」の線引きです。

内製すべきもの
  • KW設計・コンテンツ戦略
  • 記事構成の作成(何を書くかの設計)
  • 自社の独自情報の収集・整理
  • 品質チェック・公開判断
  • 効果測定・改善方針の決定
外注してもよいもの
  • ライティング(構成+ガイドがあれば)
  • テクニカルSEOのスポット対応
  • ライターのディレクション(数が増えた場合)
  • 画像制作・バナー作成
  • データ入力・集計作業

ポイントは「何を書くか」を自社で握ること。構成と品質基準さえ明確にしておけば、外注しても方向性がブレることはありません。

セミインハウスでの注意点
  • KW設計や戦略まで外注すると、結局「完全外注」と変わらなくなる
  • 外注ライターの品質管理は必ず社内で行うこと。チェックなしの丸投げはNG
  • ライター数が増えたら、中間のディレクター役の外注も検討の余地あり

よくある質問

インハウスSEOにかかる費用はどれくらい?
人件費+ツール費で月10〜30万円程度が目安です。SEOツールは無料のGSC・GA4だけでも始められます。有料ツール(Ahrefs等)を導入する場合はツール費が月1〜3万円追加されます。

外注の月30〜100万円と比較すると、年間で数百万円のコスト差が出ます。ただし、人件費はゼロではないので「タダでできる」わけではありません。
SEO未経験でもインハウスSEOはできる?
できます。重要なのは「全部できる人」ではなく「学びながら動ける人」がいること。

まずはGSCとGA4を毎日見る習慣から始めてください。データを見続けているうちに「なぜこのページの流入が増えたのか」「なぜこのKWの順位が下がったのか」が気になるようになり、自然とスキルが身についていきます。
インハウスSEOで成果が出るまでの期間は?
一般的に3〜6ヶ月が目安です。既存サイトの改善(テクニカルな問題修正やリライト)であれば比較的早く効果が出やすいですが、新規記事の場合はインデックスされてから順位が安定するまでに数ヶ月かかることもあります。

私のケースでは、アルゴリズムアップデートでトラフィックが半減した後、8ヶ月で元の水準に回復し、1年後にはアップデート前の2.1倍の水準に到達しました。
1人でもインハウスSEOはできる?
できます。ただし、全領域を1人で完璧にやろうとしないことが大切です。

まずはコンテンツSEO(記事制作・リライト)に集中し、テクニカルSEOや被リンク戦略は段階的に広げていく。ライティングの一部を外注する「セミインハウス」も選択肢に入れると、1人でも十分に回せます。
インハウスSEOで最も大事なことは?
2つあります。

1つ目は、全社に発信すること。何をやっているか、どんな情報があれば助かるか、何をすればアクセスが増えるか。他のチームの人に届くように伝えることで、協力関係が生まれます。

2つ目は、判断とアクションに迷わない状態を作ること。「分からない」「何も進んでいない」状態が一番もったいない。現状を把握し、理想を描き、差分を埋める。シンプルですが、これが全てです。

まとめ

この記事のポイント
  • インハウスSEOは「完全内製」「半内製」「外注」の3パターンがある
  • 最大のメリットはノウハウの蓄積とPDCAスピード。デメリットは人材確保の難しさ
  • 向き不向きは10項目のチェックリストで判断できる
  • 始め方はLv.0〜Lv.8のロードマップで段階的に進める
  • 最初の3ヶ月は「現状把握→設計→最初の施策」の順で動く

インハウスSEOの本質は、自分たちの力でWebマーケティングを回せるようになることです。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは現状を把握し、理想を描き、その差分を1つずつ埋めていく。それが全てです。

1人でも、兼務でも、SEO未経験でも始められます。大事なのは「動き続けられる仕組み」を作ること。この記事のロードマップが、その第一歩の助けになれば幸いです。